認知症の全ての人がそういう風になるのかは分かりませんが、祖父の場合は『食』に執着がありました。
ヘルパーさんに聞いたら「認知症の方は満腹中枢の機能が低下することで常に空腹状態にあるのかも知れない」と教えてくれました。
目の前にある食べ物は全部食べてしまう状態だったので、食事はその日の分を家族が毎日持って行くようにしていました。
食事を持って行った時に家の中の様子を確認するのですが、ある時、ブラックコーヒーらしき黒い液体が入ったマグカップが食卓に置いてありました。
その頃祖父の家にはインスタントコーヒーを置いていなかったので、おかしいなと思い本人に聞いてみても「分からん」と言うだけで、明らかに変な液体を飲もうとしていました。
周りを観察してみると、何やら小袋の封を切った形跡が・・・
食品などに入っている乾燥剤の袋でした。
祖父は乾燥剤の中身を水で溶かして飲もうとしていたのです。
何事もなかったので笑い話で済みますが、その時はヒヤッとしました。
私は家に帰って実験をしたら、全く同じ飲み物ができました(笑)
見た目は薄めのブラックコーヒーです。
この乾燥剤以外にも、防虫剤がタンスから出され食卓に置いてあったこともあります。
その時はたまたま見つけることができたので捨てることができましたが、以前からこういうことはあったかも知れません。
常に空腹状態の祖父はよく食べました。
ペットボトルや紙パックのジュースも1日で飲んでしまったり予備に渡していたパンなども一気に食べてしまうので、食事はその都度用意するようにしていました。
昼食を持って行った時に夕食分をクーラーボックスに入れて、それを祖父の分からない所に隠して、夕方に来るヘルパーさんに出してもらうというような感じにしていました。
食べたい時に食べ物がないのも可哀想だとは思いましたが、祖父は糖尿病も患っていたので仕方ありませんでした。