『お迎え現象』という言葉を聞いたことがありますか?
終末期になると、すでに亡くなったご先祖様が近くに来ているように感じて、話しかけたりするようなことがあるそうです。
一般的には病院より在宅の場合に多く見受けられる現象です。
病院だと、せん妄(意識が混濁して幻覚や錯覚が見えるような状態)と診断されて治療の対象とされてしまうからです。
仏教心理学では、死の間際に現れるイメージ(現象)を3つのタイプに分類しています。
その一つがお迎え現象です。
これは来世を象徴するものだと考えられています。
例えば天人が迎えに来たり、紫色の雲がたなびいたり、良い匂いがしたりすることもあるようです。
二つ目は来世を決める業。
今回の人生で行った行為の中で来世を決定するために最も力を持つ業をなした時の様子があたかもその現場にいるようにありありと思い浮かぶと言います。
走馬灯のように人生を回想すると言われているものに近いものです。
三つ目はその業を象徴するイメージで、誰かに良いものを渡したことを象徴する美しい花であったり、命を奪ったことを象徴する血塗られた刀であったりするそうです。
終末期は今回の人生の振り返りをすることができます。
来世という語りの舞台で「次はこんな仕事がしてみたい」とか「次はこんな人と結婚してみたい」という希望が出てくるかも知れません。