私が考える終活の中で一番重要だと思うのは、医療と介護についてです。
どちらも本人の意思表示ができるうちに自分の希望を伝えておかないと、ほとんどのことは家族に委ねられます。
ゆっくり考えて結論を出せる場合はいいですが、緊急を要することもあります。
「あなたの大切な家族に万が一のことが訪れた場合、あなたはすぐに結論を出すことができますか?」
病気の告知や余命宣告も昔と今では違ってきています。
医療もののテレビや映画でも、昔は本人に告げず家族だけが呼び出され病名を聞くという場面がよく見られました。
実際、私の祖母も最後まで自分は胃癌だと知らずに亡くなりました。
30年ぐらい前の話です。
しかし今は自分の病名を知った上で病と闘う人が増えています。
反対に病名を知りたくない人もいるでしょう。
病気の告知や余命宣告を「受ける」or「受けない」どちらもあっていいと思います。
あなたはどちらですか?
時間をとって、ぜひ考えていただきたいです。
では、昔と違い告知を希望する人が増えたのはなぜか?
それは自分の病気を受け入れることで今後の治療方針や緩和ケアについても話し合い、一日一日を大切に生きようと考える人が増えたからではないでしょうか。
何も知らされず、言われるがままの治療をして過ごすのと、今の自分の状況を理解して日常生活を送るのとでは違ってきます。
残された時間を「誰と」「どこで」「どのようにして」過ごすのかを自分の意思で決めるということは色々な意味で前向きな行動が取れます。
最近では病院やホスピス以外にも、自宅で最期の時を過ごす人も増えました。
寝たきりになって家族に迷惑がかかると思っても、どのような終末期を過ごしたいか、自分の希望は必ず家族に伝えておいてくださいね。
多くの患者がたどる心の動き
- 否認…自分が死ぬというこの知らせは、嘘か間違いでないかと思う
- 怒り…なぜ、自分が死ななければならないのかと怒りが爆発する
- 取引…何か助かる方法がないかと、さまざまなものにすがろうとする
- 抑うつ…虚無感や無力感に襲われる
- 受容…自分の現状を受け入れていく
キューブラー・ロス(アメリカの精神科医・ホスピス運動の推奨者)
著書『死ぬ瞬間』より引用