これは完全に『私調べ』だが、私は終活に関するアンケートをとっている。
対象者は40代〜80代の男女。
「いつ頃、終活を始める予定ですか?」という質問にやはり多かったのが「60歳頃から」という答えだった。
一般的な回答であると思う。
すでに60代以上の方は「終活をする予定はない」または「80代」と答えた方もいた。
中には身の回りの不用品を処分したり、知人に譲ったりと断捨離をしている方はいた。
私が終活を勧めるのは高齢者だけではない。
40代・50代の方にも終活を勧めている。
いや、心構えとして40代・50代の早いうちから知ってもらいたいと考えている。
終活を勧める中で難しいなと感じるのが世代間ギャップである。
40代・50代の方には比較的話を進めやすいが、私の母を含め、60代以降の方にはなかなか理解してもらえないのが現状だ。
そもそも親世代に”終活”や”断捨離”といった言葉が浸透していないのだ。
知っていたとしても、どこか他人事のように思っている気がする。
断捨離に関していえば、私の母もそうだが「いつか使うから」「昔デパートで買った高い服だから」と言って使わないであろう物をしまい込んでいる。(しまい込んでいる時点で使わないのだ)
こちらとしては何でもかんでも捨てろと言っている訳ではない。
もちろん60代以上の方で、不要な物に囲まれずコンパクトな生活をしている方もたくさんいる。
そういう書籍も数多く出版されている。
しかしそういう方は一部で、大半の親世代は昔の物が捨てられず大事にとってあるのだ。
私は母と同じ敷地内に住んでいるため生活の様子を時々チェックすることはできるが、親元を離れて暮らしている子は、たまに帰省した時に実家にある物の多さにビックリすることもあるだろう。
親が亡くなって片付けをするのは結局子である私たちなのだが、そんなことはお構いなしな気がする。
本当に大切な物、死ぬその時まで置いておきたい物は捨てる必要はない。
しかし高齢になるにつれ、家の中が物で溢れていると危ないのだ。
転倒の危険、棚の上から物が落ちる危険、万が一火事を起こしてしまった時の火の回りの速さ・・・
できればスッキリした場所で心に余裕を持ちながらゆったり生活してほしいのは子の願いでもある。
独居老人がセルフネグレクトになり、家がゴミ屋敷になってしまった事例もたくさんある。
元気で身体が動くうちに身の回りの物を少し見直してもらいたいのが子の本音である。
では、子が親に終活を勧めるにはどうすればいいのか?
いきなり「終活してほしい」と言っても通じない。
私のように毎日顔を合わせて会話もたくさんしている親子関係ならまだしも、実家を離れ、たまにしか会わない子どもから終活の話を切り出されても親は困惑するだろう。
「早く死ねと言ってるのか?」「財産を狙っているのか?」とも取られかねない(笑)
そんな時は、帰省などのタイミングで家族が集まる機会にでもまずは「どこか旅行とか行きたい所はない?」「やりたいことはない?」と、親の話に耳を傾けることから始めてはどうだろうか。
普段離れて暮らしているのであれば、親がどんな持病を持っているのか、かかりつけの病院はどこなのか知らない子どももいるだろう。
困っていることはないか、親の体調を気遣いながら色々な情報を聞き出すことで、何かあった時に行く病院を把握できていればこちらも安心である。
急に入院することになっても焦らなくていいように、健康保険証やマイナンバーカード、おくすり手帳などはまとめておくことも大事である。
入院給付金や一時金が入る民間の医療保険への加入の有無や入院費用を支払うためのキャッシュカードの暗証番号も聞いておければ子が立て替えることもなく支払いができるので知っておいた方がいいだろう。
子が複数人いる場合は、兄弟姉妹間で情報を共有しておくことで『もしものとき』にも連携することができる。
親の話に耳を傾けるということは、家族のルーツを知る機会でもある。
家系図を見ながら家族の歴史を聞くことは相続対策になると、以前読んだ本にも書いてあった。
両親の出会い、結婚。
もしかしたらその前に結婚歴があり、自分たちの知らない異母兄弟がいた・・・そんなケースもあり得る。
隠すつもりはなく、伝えてなかっただけという場合もあるだろう。
親が亡くなった時に誰が相続人になるのか、以前ブログで書いたように家系図を作成しておくことは終活をする中で重要なのである。
自ら率先して終活してくれるなら話は早いのだが、どうやら親世代は終活に対して前向きではない方が多く見られたので、私もそこが課題である。
いつやってくるか分からないことに備えるのは難しいかも知れないが、早いか遅いかというだけで、誰しも終わりの時は必ずやってくる。
自分の親に終活を勧めるなら、まずは親の話に耳を傾けること。
大切なのは会話をすること。
断捨離などは終活の入り口で、本当にしておかなければならないことや話し合っておかなければならないことは他にもたくさんある。
そこに気付いてもらえるよう終活を勧めるのが私の役目である。