9月は世界アルツハイマー月間で、9月21日は世界アルツハイマーデーである。
日本神経学会では『一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる』のが認知症の定義とされている。
年齢を重ねると物忘れが増えたり、顔は分かっているのに名前が出てこないということがよくある。
しかし生理的老化と認知症には違いがあり、行動上に問題が出たり生活に支障をきたすようになるのが認知症である。
少し前に私は”認知症の方の理解とかかわり方”という研修を受けた。
そこで衝撃的だったのが、認知症は長寿の勲章!という言葉である。
長生きすればするほど認知症になるリスクは高まる。
認知症になる最大のリスクは長寿なのだ。
私の祖父は今月90歳になったが、認知症の症状が出始めてから「なぜこんなことができないの?なぜ言ってることが分からないの?」と祖父に対してきつく当たってしまっていた。
しかし認知症の人からすれば、いきなり何もできなくなるのではないのだ。
重要なのは認知症の人にも役割があるということ。
これは障がいがある人にも言えることではないだろうか。
当然のことだが、認知症の人や障がい者にも意見や意思はある。
何でもかんでもしてあげたり勝手に話を進めるのではなく、何に困っているかを本人に聞き、理解することが大切。
そこから工夫が生まれ、社会を変える大きな力になる。
認知症には種類があり、アルツハイマー病の軽度であれば治療薬がある。
その他の認知症も薬で進行を遅らせることができる。
早期発見にはメリットがあり、自分が理解できる時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上のトラブルを減らすこともできるのだ。
認知症をオープンにすることで「認知症になっても大丈夫!」と思える社会を私たちで作っていかなければならないと思った。