オレオレ詐欺をはじめ、高齢者がターゲットとなる犯罪は多い。
電話だけでなく、訪問販売などの悪質商法も後を絶たないようだ。
全ての訪問販売が悪い訳ではないが、中には本当に酷いなと思うやり口もある。
実際、私の祖父も悪質な訪問販売に引っかかってしまったのだ。
名前は出さないが、某有名な乳製品を扱う商品を契約させられていた。
食事を運ぶため毎日家に行っていたのだが、明らかに家族が渡したものではない商品のゴミが捨ててあったので気付いた。
多分、お試しでもらったのだと思う。
しかし認知症の祖父は食べる量を調節できる状態ではなかったので、置いて帰った商品のほとんどを食べたり飲んだりしてしまっていた。
数日後、注文書らしきものを見つけたので本人に聞いても「分からん、知らん」と言うだけ。
注文書をよく見ると、名前は祖父の字だったが住所は祖父の筆跡ではなかった。
訪問販売に来るぐらいだから、住所は知られているだろう。
営業に回ってきた人が書いたのだと思う。
私は憤りを感じた。
認知症の祖父にうまいこと言って名前を書かせたのだと思うと本当に許せない。
それから営業所に何度か連絡したが、誰も出ることはなく、折り返しの電話もない。
仕方なく留守電にキャンセルのメッセージを残したところ、ようやく連絡がきた。
契約には至らずキャンセルできたから良かったが、一人暮らしの高齢者や認知症の人を狙ったこういう事例は多いらしい。
警視庁の報告によると、令和4年に65歳以上の高齢者が被害を受けた特殊詐欺の件数は17,570件中15,114件。
全体の85%以上の被害者が高齢者ということになる。
『被害の多い詐欺・悪質商法事例9選』というのがあるので紹介しておこう。
①電話勧誘販売→事業者が電話で勧誘を行い、申し込みを受ける取引のこと
②訪問販売→無店舗販売の一種で消費者宅に訪問して訪問先で商品の販売活動を行う小売形態
③訪問購入→事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引
④還付金詐欺→被害者に還付金を「受け取る」手続きと誤解させて「振り込み」をさせる
⑤金融商品詐欺→価値がない未公開株や高価な物品等について嘘の情報を教え、購入すれば儲かると信じ込ませる
⑥オレオレ詐欺→息子や孫、会社の上司などを装い、トラブルや横領の補う金を名目に騙し取る
⑦架空請求詐欺→未納料金が発生しているなどの名目でSMSやハガキが届く
⑧点検商法→最初は無料点検と言い、点検の結果不安を煽り工事契約させる
⑨送りつけ商法→突然一方的に商品を送りつける
結論から言って、私の祖父のように認知症であれば契約行為は無効にできるのだが、詐欺や悪質商法の被害に遭ってしまった場合はどこに相談すれば良いのか?
以下の3つの相談先を覚えておいてほしい。
1.消費者ホットライン「188」
2.消費生活センター
3.警察相談ダイヤル「#9110」
高齢者が詐欺被害に遭わないためには・・・
『自分は大丈夫という思い込みを捨てる』
『在宅時でも留守番電話の設定をする』
『知らない番号の電話には出ない』
などの対策を立てておくことが重要だ。
もしかしたら騙されたかも知れないということを隠そうとする高齢者は多いらしいが、不安な時は家族や周りの人に相談する勇気を持ってもらいたい。