故人のスマホやパソコン内にある画像や文書、連絡先などのデータやインターネットのアカウントなどをデジタル遺産という。
今や1人1台はだいたいの人が持っているであろう携帯電話。
きちんと管理できているだろうか。
もしあなたが亡くなった場合、スマホのロック解除ができなければ友人知人の連絡先などが分からず、家族は周囲に葬儀の連絡ができないという事態になる。
今は昔と違い、写真も紙焼きせずスマホ内に保存している人も多いだろう。
遺影を探す際に、良い写真が見つからないというケースもある。
いざという時に家族が困らないようにデジタル遺産の取り扱いについて生前から準備しておくのが『デジタル終活』である。
こんな記事を読んだ。
身内が亡くなり、遺品の整理をしていた時にサブスクの動画配信サービスの引き落とし明細が見つかり、解約しようとサブスクの会社に問い合わせたが「パスワードが分からないとできない」と言われた。
そもそもパスワードが分からないから困っているのである。
この方は明細からサブスクの加入を知ることができたが、加入していることを知らなければずっと料金を引き落とされることになる。(引き落とし口座が凍結されたら自動的に利用停止になることもあるようだが)
エンディングノートには自分のスマホのIDやパスワード、加入しているサブスクなどの詳細を書いておくべきである。
逆に言えば、スマホやパソコンのログインパスワードを残すだけでデジタル遺産に関する問題のほとんどは解決されるという訳である。
パスワードが分からない場合、専門業者に依頼することもできるが、20万〜50万という高額な費用がかかるらしい。
しかも個人業者にロック解除を依頼すると着手金を請求され、結果的に解除されるどころか初期化されて戻ってきて泣き寝入りという最悪なパターンも考えられる。
自分が亡くなった後、家族に無駄なお金を使わせないためにもパスワードなどを書き残して保管しておくことが重要である。
とはいえ、スマホやパソコンはプライベートなツールのため、誰にも見られたくないデータもあるだろう。
そういう場合は「見ないでほしい」という意思表示を残しておき、そのメッセージ通りにしてくれるような人間関係を生前から築いておくことも終活のひとつなのかも知れない。