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*縁起を気にしますか?
少し前の芸能ニュースで、タレント・俳優の石田純一さんの生前葬のイベントがありましたね。
終活の一環で生前葬を行ったり、生前墓を建てることを予定している方もいるでしょう。
一昔前なら「まだ死んでもいないのにお墓を建てるなんて縁起が悪い!」と考える人も多かったと思います。
しかし終活をするという考えが広がり、様々なことを前もって準備しておくことが重要になった昨今、これからの時代は生前葬や生前墓が当たり前になっていくのかも知れません。
その昔、生前墓は『寿陵墓(じゅりょうぼ)』と呼ばれ、聖徳太子や秦の始皇帝など、歴史人物も生前墓を建ててきたそうです。
名前に『寿』という文字が入っていることから、長寿や子孫繁栄、家庭円満など生前墓(寿陵墓)は縁起の良いものとされていたのですね。
実際問題、生前墓を購入することにはメリットがあります。
家族で話し合う機会ができたり、残された家族の負担を軽減できることです。
自分の財産から費用を捻出することによって、子どもや孫の金銭的な負担を減らすことができるのは大きなメリットではないでしょうか。
その他にじっくりお墓を選べるのも利点です。
デザインや墓地の場所など、家族と話し合う時間があれば自分の亡き後も安心して家族に任せることができます。
親子で話し合いながら準備することでお互いに納得できる供養方法を選択することができるでしょう。
終活全般に言えることですが、「死ぬ時(死んだ後)のことを考えるなんて縁起が悪い!」と考える人もまだまだ多いと思います。
しかし昔と今では時代が違うのです。
社会の変化、価値観の変化、環境の変化、気持ちの変化・・・戦後日本の社会は大きく変わりました。
長寿化したことで老後〜人生最期(死の迎え方)の常識が変化しました。
自分が望む人生の最期を迎えるための気持ちの整理と準備が必要になった今、縁起が悪いからと避けて通るのではなく、終活を通して新しい自分に出会い、自分らしく生き生きとした人生を過ごしていただきたいです。
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*今日も今日とて
個人的な話だが、今日は特別な日だ。
私の誕生日である。
数人の友人からお祝いのメッセージが届き、家族がケーキを用意してくれて、なかなか幸せな人生を送っていると思う。
ちょっと人生を振り返ってみた。
お祝いしてもらうのはいくつになっても嬉しいのだが、私はある程度の年齢になってから自分の誕生日は母親に感謝する日にしている。
46年前の今日、母親が頑張ってくれたおかげで私は今ここにいる。
母親は偉大だ。
人生100年時代と言われているが、未来のことは誰にも分からない。
すでに老眼鏡のお世話になっている私だが、この先ひざが痛くなってコンドロイチンのサプリを飲んでいるかも知れないし、もっと先には杖を使って歩くようになっているかも知れない。
歳を重ねて身体に不調は出ても気持ちは明るく楽しい毎日を過ごしていたいものである。
終活をするということは、自分自身と向き合うこと。
とは言っても、働き盛りや子育て世代の人は本当に毎日忙しいと思う。
自分の時間などゆっくり持てないのが常である。
しかし自分の誕生日ぐらいは少し立ち止まってみてはどうだろうか。
自分が生まれた日のことから現在のこと、そして少し先の未来とその先にある人生の終わりの日。
気持ちに余裕がある時に自分の意思(理想や希望)を確認してみてほしい。
何となく毎日を過ごしていてドラマチックなことが起こらなくても「朝、目が覚めた」「今日も家族とご飯を食べた」「友達と笑い合った」そんな当たり前の日常が本当は一番幸せだったりする。
今日も今日とて・・・
誕生日のように特別な日でなくとも、いつもと変わらない日々を過ごせていることに感謝してこれからも生きていこうと思う。
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*いよいよ・・・
工事が始まりました。
喫茶店だった店舗をカフェスペースを残しつつ、終活セミナーを開催したり個別相談ができる場所に改装する工事です。
終活に興味はあるけど何から始めたらいいのか迷っている方や、終活って何をすればいいの?と悩んでいる方に、もっと気軽に終活に触れてもらうための場所です。
最近はインターネットや書籍などでたくさんの情報を得ることができます。
しかし私は人との出会いやご縁を大切にしたいと考えていますので、楽しくおしゃべりしながら終活のお手伝いができればいいなと思います。
終活というジャンルはとっつきにくいイメージがあると思いますが、まずは喫茶店に行く感覚で気軽にコーヒーでも飲みに来ていただければ嬉しいです。
まだ工事は始まったばかりですが、皆様とお会いできる日を楽しみにしています。
オープン日等につきましては、詳細が決まり次第こちらにもご報告させていただきます。
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*認知症は長寿の勲章!
9月は世界アルツハイマー月間で、9月21日は世界アルツハイマーデーである。
日本神経学会では『一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる』のが認知症の定義とされている。
年齢を重ねると物忘れが増えたり、顔は分かっているのに名前が出てこないということがよくある。
しかし生理的老化と認知症には違いがあり、行動上に問題が出たり生活に支障をきたすようになるのが認知症である。
少し前に私は”認知症の方の理解とかかわり方”という研修を受けた。
そこで衝撃的だったのが、認知症は長寿の勲章!という言葉である。
長生きすればするほど認知症になるリスクは高まる。
認知症になる最大のリスクは長寿なのだ。
私の祖父は今月90歳になったが、認知症の症状が出始めてから「なぜこんなことができないの?なぜ言ってることが分からないの?」と祖父に対してきつく当たってしまっていた。
しかし認知症の人からすれば、いきなり何もできなくなるのではないのだ。
重要なのは認知症の人にも役割があるということ。
これは障がいがある人にも言えることではないだろうか。
当然のことだが、認知症の人や障がい者にも意見や意思はある。
何でもかんでもしてあげたり勝手に話を進めるのではなく、何に困っているかを本人に聞き、理解することが大切。
そこから工夫が生まれ、社会を変える大きな力になる。
認知症には種類があり、アルツハイマー病の軽度であれば治療薬がある。
その他の認知症も薬で進行を遅らせることができる。
早期発見にはメリットがあり、自分が理解できる時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上のトラブルを減らすこともできるのだ。
認知症をオープンにすることで「認知症になっても大丈夫!」と思える社会を私たちで作っていかなければならないと思った。