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*おひとり様の生前契約
国勢調査によると、2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯未婚者になるという予測が出ているそうです。
「未婚の方が行動や生き方が自由である」「結婚はしたいが経済力が足りないから諦めている」「結婚する必要性を感じない」
理由は色々あるようですが、この先も生涯未婚率が高くなることは確実だと考えられます。
年齢を重ねることにより解決が難しい問題が出てきますが、互助組織等と生前契約を結ぶことで解決可能なこともあります。
おひとり様終活のポイントは、自分のことが自分でできなくなった場合を想定し、事前に生前契約を結ぶことで自分の希望を伝えて実施できるようにしておくことです。
生前事務(後見事務)で契約可能な事
・入院、賃貸住宅入居、老人ホーム等への入所の際等の身元引受保証
・認知症などになった場合の後見、ケア
・手術の立会い、医師からの説明への立会い、同意の代理等
・医療上の判断に関する意思表示の代理
・財産の維持管理や処分等の支援や代理
・介護保険その他必要な福祉サービスの契約の代理、立会い 等
死後事務で契約可能な事
・火葬、納骨、葬儀
・住んでいた住居の片付け、賃借の場合は返還事務、同居していた人に対する住替え支援
・保険、年金などの諸手続き
・クレジットカードなど各種カード類の解約、返還手続き
・個人情報(パソコン、携帯電話等)の消去、破棄
・ペットなど死者が愛用していたものや情報の処分
・祭祀財産の処理(墓、仏壇の管理や処分なども含む)
・死後もお世話になった方へのお祝いや香典などの社会参加の代理、代行 等
生前契約を結ぶ前に確認するポイント
!契約に関する書類や説明は十分に行われているか
!費用についてホームページ等に明示してあるか
!決済機構と分離してお金の管理が行われているか
!実績や規模について確認 等
生前契約は誰に依頼するのか、元気なうちから決めておくことが重要です。
○身内で甥や姪に依頼
○友人知人に依頼
○弁護士や司法書士などに依頼
○NPOなどに依頼
現在ではNPO法人などで生前契約を結び、自分で自分の意思を伝えられなくなった時から亡くなった後までの様々なことを依頼できるところがあります。
ただし玉石混合なので見学会に参加したり、実際に利用している人の話を聞いたり、契約時には契約書などの契約事項をしっかり確認することを忘れないでくださいね。
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*死後事務委任契約と民事信託
自分が亡くなった後の諸手続について心配されている方も多いのではないでしょうか。
委任者(本人)が第三者(個人、法人を含む)に対して、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等について代理権を付与して死後事務を委任する契約があります。
死後事務委任契約
どんなことを委任できるのか、例を書いておきますね。
○亡くなった後の医療費の支払いに関する事務
○家賃・地代・管理費等の支払いと敷金・保証金等の支払いに関する事務
○老人ホーム等の施設利用料の支払いと入居一時金等の受領に関する事務
○通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
○菩提寺の選定、墓石建立に関する事務
○相続財産管理人の選任申立手続に関する事務
○行政官庁への諸届け事務
これらは親族はもちろん、知人や信頼をおける人であれば誰でも可能なので自由に選べます。
(特別な資格はいりません。)
親族がいない場合や、頼めない事情がある方は司法書士などの専門家に任せることをお勧めします。
インターネットで無料ダウンロードできるものや書籍などでひな形が書かれているものもあります。
家族や親族などの間で行われる、営利を目的としない信託で「民事信託」というものがあります。
これは信託銀行等で契約する一般的な商事信託とは内容が異なります。
民事信託
メリットは、高齢者やその他財産管理が困難となることが見込まれる人が、実際に困難になった際にも財産管理の継続性を維持できることです。
(例)認知症対策、相続対策、事業承継対策、親亡き後の問題対策
自分の財産を「誰に」「どのような目的で」「いつ」渡すことをあらかじめ生前に契約し、その財産を管理できる権利を信頼できる相手に移し、将来その契約を確実に実行させていくことができます。
民事信託には、基本的に3者の登場人物がいます。
・委託者(財産を持っている人)
・受託者(財産を管理する人)
・受益者(利益を享受する人)
民事信託は公正証書でなければならないので、公証人役場で作成します。
色々なケースがあるので、専門家が介入するケースがほとんどです。
ひな形は書籍やインターネットでダウンロードできます。
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*委任後見契約と見守り契約
年老いてゆく不安の中に「認知症になったらどうしよう」と考える人も少なくないと思います。
判断能力が失われてしまうと、自分で財産を管理したり契約したりすることが難しくなります。
このような場合に自分の代わりに財産管理をしてくれるのが後見人です。
任意後見契約
後見人には、あらかじめ自分で決めて契約しておく『任意後見人』と家庭裁判所で選任される『法定後見人』があります。
『任意後見人』
本人が十分な判断能力を有する時に、あらかじめ自分で契約しておく。
任意後見人は自分で後見人を選ぶことができる。(例:自分の子どもなど)
後見人には、預貯金の管理・払戻しや、不動産等の重要な財産の処分など「財産管理に関する法律行為」と、介護サービスの契約締結や福祉関係施設への入所契約締結などの「身上監護に関する事務」を委任することができます。
『法定後見人』
認知症や外傷で判断能力が失われた時は、申立人の意見を聞いて家庭裁判所が選任します。
任意後見契約は公正証書でなければならないので、公証人役場で作成してもらってください。
法律の専門家である公証人が本人の真意を確認し、確実な内容の契約が結ばれるようサポートしてくれます。
見守り契約
支援する人が本人と定期的に面談や連絡をとり、備えとしての成年後見制度(任意後見)をスタートさせる時期を相談したり、判断してもらう契約です。
この契約をすることによって、定期的に本人と支援する人の意思疎通が可能になるため、備えとしての成年後見制度(任意後見)の契約をしてから数十年間本人と会わないといったようなことを防ぐことができ、信頼関係を継続させることができます。
ひな形は書籍やインターネットで無料ダウンロードできます。
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*財産管理委任契約
年齢を重ねるごとに不安になる老後。
「認知症になったらどうしよう…」
「自分が死んだ後はどうなるんだろう」
「私はおひとり様だけど大丈夫かな」
「残されるペットが心配…」
このように悩みは尽きないと思います。
近くに頼れる人がいない場合、考えれば考えるほど夜も眠れなくなるでしょう。
私が考える終活とは、準備することによって将来に対する不安を少しでも減らし、生きている今を楽しく暮らすことです。
あれこれ考えて不安な毎日を過ごすより、できることは今のうちに先手を打っておきましょう。
老後の万一を支える契約はいくつかありますので、何回かに分けて書いていきますね。
財産管理委任契約
これは本人に判断能力があることが前提です。
自分の財産の管理やその他の生活上の事務の全部または一部について、代理権を与える人を選んで具体的な管理内容を委任する契約のことをいいます。
先にも書きましたが、本人に判断能力があることが前提なので、状況としては病気やケガで歩けなくなったりした場合です。
どんなことを委任するかというと、例えば「銀行からお金を引き出す」「各種の支払い」「介護保険の支払い」などです。
財産管理委任契約は当事者間の合意のみで効力が生じ、内容も自由に決めることができます。
依頼した人に対して、財産の管理を委任したことや委任した内容を明らかにするものが『財産管理委任契約書』です。
いくら親しい間柄で当事者間の合意のみで効力が生じるといっても、後日のトラブルを避けるためにも委任を受けた人はきちんと記録し、管理の内容を説明できるようにしておきましょう。
また、金融機関によっては財産管理委任契約書では代理権を認めず、取引の都度、個別の委任状などの提出を要求するところが多いので注意が必要です。
契約を厳格にする際には、公証人役場で公正証書を作成してください。
財産管理の委任契約の他、このあとに説明する「見守り契約」や「死後事務委任契約」は公正証書にした方がいいと思いますが、家族などの間では契約書を自分たちで作成して報酬なしの場合もあります。
契約書はインターネットでダウンロードできるものや、書籍などでひな形が書かれているものもあります。
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*そろそろ墓じまいを・・・
我が家も考えていることですが、終活でお墓のことを家族と話し合う場合、一緒に考えておいてほしいのが「墓じまい」についてです。
今後、お墓を守る跡継ぎがいない場合や、お墓のある場所が遠くてなかなかお墓参りに行けなくなった方が今あるお墓を撤去して近くの墓地や永代供養墓地に移転したり、海洋葬や樹木葬などの自然葬にすることを「墓じまい」と言います。
墓地に埋葬されているご遺骨を他の墓地や納骨堂に移すことを「改葬」といい、これを行うには手続きが必要となります。
①移転先の墓地の管理者から「受入証明書」を発行してもらう
②現在埋葬されている墓地の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう。
③墓地のある市区町村役場に改葬届を提出し、「改葬許可証」を発行してもらう。
④改葬元墓地の管理者に「改葬許可証」を提示し、ご遺骨を取り出す。
⑤墓石の「御魂抜き」の法要を行う。
(御魂抜きとは、お墓から仏様の魂を抜いて元の石の状態に戻す「閉魂法要」のこと)
⑥改葬先墓地の管理者に「改葬許可証」を提出し、ご遺骨を埋葬する。
(その際、墓石の「開眼供養」を行う。)
※埋葬証明書の有無は地域によって違うので、事前に確認をしてみてください。
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*お墓はどうする?
家族のお墓を持つことが一般的になったのは明治維新以降のことだそうです。
かつて庶民は一部の階級を除いて遺体を山や海川に捨てるのが普通でした。
江戸時代から庶民でもお墓を造るようになり、明治になって伝染病予防の為に火葬が普及し始め、現代のように火葬し、お墓に納骨することが一般的となりました。
現代のお墓事情を見てみましょう。
寺院墓地
寺院境内で運営・管理している墓地。お墓を持つには、その寺院の檀家になる必要がある。寺院の活動に積極的に参加し、その寺院を支援することが檀家には求められる。
霊園墓地
公営と民営があり、公営は比較的安価だが数に限りがある。宗派などは問わないところがほとんど。
永代供養墓
寺院や霊園が永代に渡る供養・管理を約束してくれる。通常は生前の申し込みも可能。一般的に他の人と一緒の墓、あるいは同じ納骨堂に納骨される。
納骨堂
遺骨を収蔵する施設のこと。かつては、お墓を建てるまでの間、一時的に遺骨を納める意味合いが強かったが、現在は永代にわたる供養を前提とした墓所としての需要も高まっている。
散骨
※散骨方法や可能エリアについては専門業者にお問い合わせください。
遺骨を自然に還す「散骨葬」が増加している。海や川だけでなく、山中や野山、空や宇宙に散骨するなど多様化している。
今まで多かったのが「寺院墓地」
その寺の檀家となるため、檀家としての役割を担うことが条件です。
宗派が違えばそのお墓に入ることはできません。
お寺への関わりや費用の負担も多いため、昨今の核家族化で檀家制度も少なくなってきています。
最近ではお寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれる「永代供養墓」を選ぶ人が増えてきました。
お墓参りができなかったり、お墓参りしてくれる人がいなくても安心です。
一般的に、他の人と一緒あるいは同じ納骨堂(棚)に安置されることから、「合祀墓」「合同墓」「合葬墓」「共同墓」「集合墓」「合葬式納骨堂」などと呼ばれています。
一般のお墓(先祖代々のお墓)との違いは、お墓参りをしなくてもお寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれる、墓石代がかからない(個人墓の場合を除く)、墓地使用料が割安になるなどがあります。
また、一般のお墓と比べて料金が安く、一式料金を一度支払えばその後の管理費やお布施、寄付金など一切費用はかかりません。
過去の宗旨・宗派は問われないので、こだわる必要もありません。
さらに、お墓という形にこだわらない人たちに広まりつつあるのが、自然に還ろうとする「自然葬」です。
遺骨を粉末化した後、それらを海や山に撒く散骨方法を指します。
その中でも、海に散骨する「海洋散骨」を選ぶ人が多いそうです。
陸地だと限られた場所でしか散骨できませんが、海の場合は陸からある程度距離があり、漁場に影響のないところであれば散骨が可能だからです。
宇宙にロケットで散骨する「宇宙葬」もあると聞き、ビックリしました。
「手元供養」といって個人の遺灰や髪の毛などを小さな容器やペンダントに収め、自宅に置いたり身に着けたりしていつも身近に感じられるようにしておく方法もあります。
どのようなお墓を選ぶにしても、遺族が故人を偲ぶよりどころに変わりはありません。
日本にはお盆やお彼岸にお墓参りに行く風習がありますが、高齢になってなかなか行けなかったり、跡を継いでくれる人がいなくなった時のことも考えてお墓を決めたいですね。
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*お葬式の準備
前回は葬儀のあれこれを書きましたが、準備しておいた方がいいものに「遺影写真」があります。
亡くなった後に家族が遺影用の写真を選ぶのはとても苦労します。
すぐに写真が見つからない場合もあるでしょう。
考えてみれば、家族を亡くした後の手続きは大変なんですよね。
死亡届に始まり手続きには期限があって、悲しんでいる暇がありません。
役所や年金事務所に問い合わせることもたくさん出てくるでしょう。
そんな家族の負担を考えて、遺影写真など自分で準備できることはやっておいた方が家族も助かるはずです。
それに、やっぱり自分のお気に入りの写真を使ってもらいたいですよね。
あと、葬儀の費用は葬儀後の早い段階で発生します。
故人名義の預貯金は口座が凍結されてしまうので、いざという時のために、ご夫婦でも預貯金はどちらかに偏らないようにしておくことが重要です。
または、葬儀関係に必要な資金を子どもたちに渡しておくのもいいでしょう。
最後に葬儀社を選ぶポイントですが、いろいろ親身になって相談に乗ってくれるところがお勧めです。
最近では終活セミナーを開催していたり、模擬葬儀を体験できたりするところもあります。
プロのカメラマンさんが来て遺影の撮影会が行われたりもしていますので、そういったイベントに参加してみて葬儀社の雰囲気やスタッフさんの人柄などを確認するのがいいでしょう。
見積もりを作成してもらい、複数社検討してみて自分が納得のいく葬儀社を選んでくださいね。
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*ラストステージにふさわしい葬儀
あれこれ決めておいても自分で取り仕切ることができないのが葬儀です。
しかし自分らしく最後を締めくくるために、どのような葬儀を行いたいか決めておくことは大切です。
葬儀には大きなお金が必要になりますから、自分が希望する葬儀と費用についてはエンディングノートに記載したり家族に伝えておくことを忘れないでくださいね。
◎葬儀について
葬儀全体の希望を決めます。
豪華にしたいのか、世間一般的なものを望むのか。または身内だけで済ませて欲しいのか。
葬儀の生前予約や契約をしている場合は家族にきちんと伝えておいてください。
その他に、葬儀を行なってほしい場所や喪主、戒名や祭壇の飾りなども希望がある場合はある程度決めておいた方がいいと思います。
◎お墓について
まず、埋葬方法はどうして欲しいのか。
自分で準備しているお墓や先祖代々のお墓など決めているのか。
分骨や散骨の希望がある場合も前もって伝えておいてください。
◎法要について
四十九日(三十五日)や一周忌(一周年)に参列して欲しい人、どのような法要にして欲しいかなどの希望を伝えておきます。
三回忌(三周年)以降は法要を行うかどうかも考えておいてください。
最近は葬儀社を通して葬儀を行うのが当たり前になっていますが、一昔前までは地域で執り行っていました。
日本人の寿命が延びて多くの人が80歳90歳で亡くなる時代になった分、社会とのつながりも減り、子の世代でさえ現役を退いているため、盛大な葬儀を執り行うということも少なくなっています。
「家族葬」や「直葬」が増えているのも納得ですね。
そんな中で自分の葬儀を自分でプロデュースする人が増えているそうです。
生前に模擬葬儀をしたり、希望する葬儀の段取りをして見積もりを取り、生前に予約しておくなどです。
エンディングノートに葬儀で使用して欲しい音楽や花、遺影を記入しておくのもいいでしょう。
従来の葬儀(通夜→葬儀→告別式)の他には、こういうものがあります。
自由葬
お花だけの祭壇や故人の好きだった音楽をかけるなど、葬儀社によって様々なプランが用意されている。
家族葬
原則として家族や親しい友人知人以外の会葬者がいない葬儀。
人数が制限されているため、通常は費用を抑えられる。
直 葬
通夜・告別式を行わずに火葬する葬儀。
家族だけの告別式や読経だけを加えるシンプル葬もある。
余命宣告があったりした場合だと、家族も事前に葬儀社の検討をつけているケースもあるでしょうが、多くの場合、死は突然で、本人が亡くなった後の短時間で決定するパターンがほとんどです。
家族葬や直葬は事前に周囲に告知していなければ「なぜ呼んでくれなかったのか!」とトラブルになることもありますので、本人が望む葬儀の形であったと言えるようにエンディングノートなどに自分の希望する葬儀の形を記載しておくことで、残された家族の負担も減らすことができるでしょう。
さて、気になるのが葬儀にかかる費用だと思います。
葬儀費用は大きく分けて4つの項目に分かれます。
①葬儀にかかる費用
②飲食接待にかかる費用
③お寺にかかる費用
④火葬・香典返しにかかる費用
詳しく説明すると…
①は葬儀の斎場や祭壇、葬儀社の人件費など
②は通夜や精進落としの飲食費など
③は読経料、お車代、御善料など
④は火葬費や、通夜・葬儀に参加した方々に渡す返礼品の代金など
どんなお金をどこに支払うのか、きちんと確認しておかないと葬儀社の見積もりに入っていない費用もあり、後々予想外のお金がかかってしまうこともあるので気をつけましょう。
一方、入ってくるお金もあります。『香典』です。
ただし、香典は香典返しの費用も忘れないでください。
香典返しは一般的には「半返し」が相場で、最近ではその場で香典返しを行う「即日返し」が主流になってきているようです。
また、「お礼」と「心付け」も忘れないようにします。
近所の方や会社関係の方がお手伝いに来てくれた際に渡すのが「お礼」で、霊柩車の運転手などに渡すのが「心付け」です。
火葬場については、公営斎場の場合は原則、心付けの受け取りが禁止されています。
このブログを書いていて、思い出したことがあります。
私は自分が結婚式をする際に、プランナーの方とあれこれ相談して自分でプロデュースしました。
「入場にはこの曲を」とか「テーブルはこの花で」というふうに、自分が思い描く結婚式を形にしました。
葬儀に関しても自分がして欲しいことを決めておくのはとても大切なことではないでしょうか。
前にも書きましたが、あなたの人生はあなたが主役の物語です。
そのラストステージはあなた自身で決めて幕を下ろしてみてはいかがでしょうか。
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*財産を把握する
「財産」と聞くと何か莫大な資産があるように思いますが、マイホーム・銀行口座・株や投資信託など、多かれ少なかれ私たちは財産を持っています。
終活をする中でモノを減らし暮らしを小さくすることも大切なので、クレジットカードや住宅ローン・保証人などの負債も含め、まずは自分の財産状況を全て書き出して把握しておきましょう。
財産の種類
不動産(土地・建物・収益物件・農地など)
・名義、所在地、利用状況を確認
・権利関係を把握
預貯金
・金融機関/支店名/口座番号/連絡先/名義/残高/種類
・暗証番号やパスワードは管理要注意
株式・投資信託など
・名義、商品、評価、証券会社等の確認
生命保険・損害保険
・保険会社名/営業所(代理店名)/証券番号/契約者、被保険者、受取人名義、保険証券の有無/解約辺戻金の等の確認
会員権・骨董品など
・ゴルフ会員権、リゾート会員権などの状況を確認
・権利証や鑑定証の保管
債権・債務・保証人
・契約書、借用書を保管
・借入先/引き落とし口座/借入日/残債/連絡先
クレジットカード
・会社名/カード番号/連絡先
いざという時に必要なものがすぐ準備できるようにしたり、家の中を片付けることによって転倒での怪我を防ぐという目的もある生前整理はしておいた方がいいですね。
不要品の処分が体力的に難しい場合は身内を巻き込んで手伝ってもらいましょう。
すぐに処分できないものでも、「大切なもの」「処分してもいいもの」「保留」という風に段ボールに分けておくと後々の整理がしやすくなります。
財産を把握するには、財産一覧表を作成して「どこに何があるか」「総額いくらあるか」「相続税はかかるのか」を確認します。
自分の死後、家族が見ても分かりやすくしておくと助かると思います。
年会費が無料だからといって使っていないクレジットカードもそのままになっていませんか?
年齢を重ねるごとに管理が難しくなるような財産は徐々に減らすなど定期的に見直し、財産一覧表を更新してくださいね。
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*遺言書の種類
終活に対するイメージを聞いたところ、「お金持ちの人がすることでしょ?」と言われたことがあります。
多分、その方の中では終活=遺言書のイメージがあったのではないかと思います。
遺言書といえば、テレビドラマでも屋敷に住むお金持ちの主人が亡くなって、その遺産をどうするか・・・というような内容がありますからね。
遺言とはどういうものか。
遺言者(被相続人)が生前に家族や第三者に自分の財産をどのように分けるかというような財産分与の方法を具体的に指定するのが遺言です。
ちなみに、遺言書の作成は民法で定められた法律行為で、15歳以上で意思能力があれば誰でも作成することができます。
作成方法の違いにいくつかの種類があるので、自分に合ったものを選んでください。
『自筆証書遺言』
記入者 本人
証人・立会人 不要
秘密保持 できる
検認 要
長所 費用がかからない
短所 無効となる可能性がある
『公正証書遺言』
記入者 公証人(口述筆記)
証人・立会人 証人2人以上
秘密保持 公証人と証人に内容を知られる
検認 不要
長所 遺言書の存在と内容が確実
短所 手間と費用がかかる
『秘密証書遺言』
記入者 誰でもよい
証人・立会人 証人2人以上と公証人
秘密保持 公証人と証人に存在を知られる
検認 要
長所 遺言書の存在が確実
短所 手続きが複雑
遺言書には、作成方法以外にも長所・短所があります。
例えば、自筆証書遺言は自分で作成できるので費用がかからないというメリットがありますが、内容に不備があれば無効になったり、遺言書自体が見つからないということも考えられます。
紛失や内容の不備、偽造を心配する方は2020年7月10日に自筆証書遺言保管制度が創設されたので、この制度を利用してみてはいかがでしょうか。
費用はかかりますが、紛失や内容の不備、偽造の恐れがなくなり家庭裁判所の検認の手続きも必要ありません。
法務局に出向いたりする手間と費用はかかりますが確実だと思います。
また、遺言者はいつでも保管をやめることもできます。
遺言書を残しておこうと考えている方は「誰に」「何を」「どれだけ」相続させたいか決めておいてください。
遺言は民法の規定より本人の意思が優先されるので、遺言があれば相続人全員で遺産分割協議の必要もなくなります。
反対に遺言がなければ民法に定められている法定相続人に原則法定相続割合で財産が相続されます。
誰に何を渡したいのか希望がある場合や「争続」を防ぎたいのであれば遺言書を作成しておくべきです。
遺言書を書くべき人
・おひとりさま
・離婚・再婚をしている
・子どもがいない
・相続人以外に財産を渡したい
・法定相続割合以外で財産を渡したい
・家庭で所得格差がある
・子どもが多い、子ども同士の仲が悪い
・相続人に認知症や後見人がついている
・内縁の妻(夫)がいる
・兄弟姉妹の誰かが親と同居している
・事業を営んでいる
・生前に特定の相続人に贈与している
・相続させたくない相続人がいる
遺言書を残しておこうとお考えの方は、遺留分を無視した遺言にならないよう、付言事項を書き足すなどして他の相続人の権利や事前の配慮を忘れないようにしましょう。