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*介護のお話(その2)
今回は『介護を受ける人との接し方』についてです。
①傾聴、受容、共感
話に耳を傾ける「傾聴」、話を否定せず受け入れる「受容」、喜怒哀楽に「共感」することが大切。
②非言語コミュニケーション
肩に手を置く、手を握るなどのスキンシップも有効。リラックスして話せるような環境を整えることに気を配る。
③できることは本人にやってもらう
介護とは、全てを世話するものではない。「衰え」ではなく、「できること」に目を向けて、役に立っているという自己有用感を持ってもらう。
④その人らしさ、その人らしい暮らしを大切に
本人の意思や、その人らしい暮らし方を尊重するよう心がける
私の祖父は認知症が進んでから表情が乏しくなり、ほとんど喋らなくなりました。
こちらの言っていることが理解できているのか、正直分からないことも多々ありました。
そんな時は手を握るなど、言葉ではないコミュニケーションが有効な場合もあります。
介護は全てをやってあげるのではなく、本人のできることに目を向けることが大切です。
否定するのではなく、受け入れる。
介護の現場だけでなく、普段の人間関係でも実践できれば人との関わり方も違ってくるのではないでしょうか。
参考資料:介護をする家族のための介護と保健ガイドブック
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*介護のお話(その1)
人間誰しも年老いてゆけば介護を必要とする日が来ると思います。
心身ともに健康な状態を維持できていればいいのですが、要介護の状態になった場合、誰に相談すればいいのか・・・。
高齢の両親、もしくは将来の自分のことで不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
私の場合は、認知症の祖父への接し方で勉強不足な点がたくさんありました。
そこを踏まえて今回は『介護する側の心がまえ』のお話です。
- 介護が必要な人の尊厳を保つ
- できるだけ自立した生活ができるように、押し付けではなく寄り添う支援をする
- 介護をする人が無理をしない(自身の健康や生活面を犠牲にしない)
- 利用できるサービスがあれば積極的に活用する
- コミュニケーション、団欒を大切にする
介護が必要になった人は、いきなり何もできなくなる訳ではありません。
今までは自分一人でできていたことも思うように動けなくなることで、不安や寂しさを感じながら毎日を過ごしていると思います。
そんな中で自分を支えてくれる家族や友人知人はとても心強い存在になるでしょう。
できるだけ食事は一緒にとる、お茶を飲みながらお喋りを楽しむなど、少しの時間でもコミュニケーションをとることで介護される人も喜んでくれるはずです。
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*大切な人
両親、パートナー、友達・・・
あなたにとって大切な人は誰ですか?
エンディングノートに書き記す内容の中に”もしものときに連絡をしてほしい人”という項目があります。
急に入院することになった場合や死亡時に連絡をしてほしい人、また、葬儀を行う際に来てほしい人の名前や連絡先は残された者が分かるように書いておきましょう。
家族や仲の良い友人であっても、本人しか知らない交友関係もあるでしょう。
「この人には知らせてほしい」という、あなたにとって大切な人がいる場合は連絡先と一緒に感謝の気持ちやメッセージを残しておくことで、あなたの想いも伝わると思います。
今日は4月4日。
私にとって大切な友達の誕生日。
心からおめでとう。
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*防災と終活
先日、防災について話を伺う機会がありました。
皆さんは災害への備えはしていますか?
水や食料品など普段の生活に欠かせない物をまとめたバッグを準備したり、ハザードマップの作成や災害に対する心構えや知識を習得しておくことはとても大切なことだと思います。
地震や津波、大規模な火事や爆発などの異常な自然現象はいつ起こるか分かりません。
これは『終活』に似ている部分があるのではないでしょうか。
悲しい事ですが、人間はいつか死にます。
遅いか早いか分かりませんが、事故などに遭い、それは明日かも知れません。
突然の別れは残された家族や友人に悲しみや混乱を与えてしまいます。
そうならないために準備しておくことが『終活』です。
災害についてもそうですが、人はいつ来るか分からないことに対して準備するのは苦手です。
しかし、「もしものとき」のことを考えて準備しておくことで実際そうなったときに慌てなくて済むよう、最低限できることはしておくことで心配や不安を減らし、毎日の生活を送ることができるのではないでしょうか。
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*終活サイトのご案内
「関心はあるけど何から始めたらいいのか?」また、「こういう時は誰に相談したらいいのか?」
終活に関する悩みは多いと思います。
葬儀のこと、お墓のこと、相続のこと・・・
今回は終活に関することがわかりやすく、皆様の参考になるサイトをご紹介します。
[みんなが選んだ終活]
みんなが選んだ終活では、評価員の調査とお客様評価によって厳選された優良なお葬式、お墓のみをご紹介しています。(みんなが選んだ終活)
年間お問い合わせ件数は「21,000件」以上。専門のカウンセラーが24時間365日いつでもご相談を承ります。
第三者の目線から公平な立場でご案内していますので、少しでも選択に迷う時は遠慮なくご連絡ください。
また、みんなが選んだお葬式では、お葬式に関して多くの不安や疑問を抱いていらっしゃる方に向けて、お客様からよく聞くお葬式の悩みを初めての方でも分かりやすいように解説していきます。(みんなが選んだお葬式)
お葬式やお墓に関することから法事法要や相続、保険やモノの整理など終活のことなら全て『みんなが選んだシリーズ』で安心して探すことができます。
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*11月30日は『人生会議の日』
将来の変化に備え、医療及びケアについて本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援する取り組みのことを『ACD(アドバンス・ケア・プランニング)』といいます。
これは厚生労働省も推奨していることで、『人生会議』とも呼ばれています。
終活とは、人生の終わりに向けて最後まで自分らしくいられるために、元気なうちに前向きに、自分が死ぬまでのことと死んだあとのことを具体的に考え、希望を伝え、準備することです。
早め早めに取り組み、身体も頭も元気なときに希望する医療や介護について家族や身近な人と話し合っておくことはとても重要なことです。
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*終活の心得
何のために終活をするのか?
人生は予期せぬ出来事の連続です。
人生100年時代といわれ、「80歳ぐらいまではこのまま元気にやりたいことをやって・・・」と考えている方もいるようですが、そう上手く思い通りに進むとは限りません。
少々面倒だと思うことでも、身体が元気なうちに、そして自分の意思表示ができるうちに終活に取り組んでいただきたいと思っています。
今回は『終活の心得』について書きます。
①自分が満足する生き方、締めくくり方を考える
自分の死期が迫ったと感じた時、多くの人が思うことは「やりたいと思ったことをやっておけば良かった」という後悔だそうです。
時間がない、お金がない、もう歳だし・・・と、言い訳を探して本当にやりたいことをやらなかったことが心残りになります。
そうならないためにも、『やりたいことリスト』を作るのはどうでしょうか。
優先順位をつけて、ひとつひとつクリアしていくのです。
周りの目は気にせず、多少迷惑をかけることになっても、人がどう思おうと自分が満足する生き方、人生の締めくくり方を選択することができます。
②家族や周囲に過度な期待をしない
「自分にもしものことがあったら、家族がいいようにしてくれるだろう」という期待は禁物です。
介護が必要になったら、入院することになったら、死んだ後は・・・と、何でもかんでも家族に任せるのではなく、自分はどうしてほしいのかを伝えておきましょう。
『本人にとっていいようにしてくれること』と『家族がいいと思ってすること』は違います。
家族に対して「分かっていてくれるだろう」「任せておけば大丈夫」ではなく、自分がどうしてほしいのか具体的に決めておくことが重要です。
③お金だけでないセキュリティーネットワークを作っておく
家族、ご近所さん、趣味の仲間・・・あなたのことを気にかけてくれる人はいますか?
この世の中、お金を出せば大抵のことは解決できますが、こういう身近な方々はお金をかけなくても話を聞いてくれたり気にかけてくれたりします。
人間関係は1日にしてできるものではありません。
日々のお付き合いの中で築き上げていくものです。
近所の集まりや地域のボランティアなど、動けるうちは積極的に参加しておくのが良いでしょう。
年齢の異なる友人を作るのもおすすめです。
年上の友人からは人生のアドバイスをもらえたり、これから自分が経験していく色々なことについて学ばせてもらうことができます。
しかし年上の友人や同い年の友人たちは年齢を重ねるごとに一人また一人と病気や怪我で外へ出ることが少なくなる可能性があるので、元気な年下の友人を持つことも大切です。
食事会や旅行なども誘ってもらいましょう。
④ユーモアと感謝を忘れない
ユーモアのあるところには人々の笑顔が溢れ、人とのコミュニケーションが活発に行われます。
医療や介護の現場では辛く苦しいこともありますが、ユーモアがあればお互い優しい気持ちで楽しい時間を過ごすことができます。
また、介護や看病をしてもらっていることを当たり前と思うようになると甘えが出ます。
「ありがとう」という気持ちを忘れないようにしましょう。
日本人はよく「すみません」という言葉を使いがちですが、「ありがとうございます」と周囲の厚意を素直に受け取るのが一番です。
⑤余計な遠慮はしない
遠慮をしすぎると、かえって迷惑になることもあります。
周囲の人たちも、その人が快適に過ごせるように、喜んでもらえるように動いているにもかかわらず、遠慮されてしまうとせっかくの厚意がが無駄になってしまいます。
余計な遠慮はせずに、ありがたく受け取ることが大切です。
⑥してほしくないことははっきり伝える
遠慮ではなく、してほしくないことやいらないものははっきり「NO!」と伝える必要があります。
無理して受け取り笑顔でいたり我慢していると、喜んでいると勘違いされて何度も同じことが繰り返される可能性があるので注意する必要があります。
終活は知ることから始まり、自分の意思を明確にし、やるべきことをやり、周囲に伝わる仕組みを作ることがポイントです。
自分が納得できる最期を迎えるためにも、『気力・体力・判断力』が充実している時期から準備をすることがとても大切です。
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*エンディングノートについて
「終活」と聞けばエンディングノートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
最近では書店や文房具屋さん、100円ショップでも売られていて簡単に入手することができます。
また、市役所で配布していたりインターネットからダウンロードできるものもあるのでお金をかけず手にすることもできるようになりました。
自分の思いや希望を家族や周囲に伝えるためのエンディングノート。
私は終活の中でエンディングノート作成を一番お勧めしています。
普段、自分の思いを家族に話さない方でもエンディングノートに記載しておくことで確実に伝わります。
エンディングノートとは、旅立つ者が残された者へ書くノート。
そして自らの人生を振り返ることによって、これからの人生をより良く生きるための道標になるものです。
ここで気を付けたいのは、エンディングノートに法的な効力はないということ。
遺言書とは違います。
しかし、その分気軽に書くことができます。
何度でも書き直せます。
時間の経過とともに考えていることも変わってくることがあるでしょう。
その場合でも書き直せばいいのです。
遺言書のように法的な効力はなくても、家族や友人、これからお世話になるかも知れない介護者や医療者にあなたの思いや考えが伝わり、理解を深めることができます。
家族がエンディングノートを手にすることで本人の意思を確認でき、迷いや様々な決断の後の後悔が少なくなります。
自分のためだけではなく、家族のためにもエンディングノートは必要なのです。
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*終活を始めるタイミングはいつが正解?
結論から言うと、終活を始めるのに適した年齢は決まっていません。
テレビや雑誌、インターネットなどで終活について取り上げられることが増えた昨今ですが、では、終活って何歳ぐらいから始めるのがいいの?と思っている方は多いのではないでしょうか。
よく言われるのが、定年退職して第二の人生を考え始めた時。
あるいは病気の告知や余命宣告を受けた時ですね。
残りの人生に終わりが見え始めた時、人は何かをしておこうと思うのです。
退職や還暦、また何かしらの環境が変わるタイミングで終活を始めるのは、いいきっかけになります。
その他に自分の子や孫から勧められたり、周囲で揉めた事例を見聞きした時も終活を始めるきっかけになるのではないでしょうか。
子が親に「そろそろ終活してよ」とは言いにくい関係の場合もあるでしょう。
そんな時は節目のタイミングを利用してそれとなく切り出し、話し合ってみるのはどうでしょうか。
周囲に介護や相続で揉めたケースを見ていると、事前に準備しておくことの大切さを分かってもらえると思います。
一方で必要に迫られて終活を始める人もいます。
病気の告知や余命宣告を受けた場合です。
最初は本人も家族も受け入れがたい状況に戸惑います。
しかし時間の経過とともに受け入れて、今度は残りの人生を如何に有意義に過ごすかを考えるようになるのです。
そして残された家族が困らないように、自分の終末期や葬儀のことなども考えます。
伝えたいことはエンディングノートに書いておくといいでしょう。
自ら進んでやる終活、必要に迫られて始める終活。
どちらにしても終活には「気力・体力・判断力」が必要なので、この3つが充実した状況で終活を始めるのが理想的と言えます。
自分なりに情報収集して、考えて、選択して、準備をする。
終活を始めるのに決まった年齢はありません。
「そろそろかな」と思った時がベストなタイミングです。
最後にもう一度言います。
終活に必要なのは「気力・体力・判断力」です!
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*終活で得られる効果
なんとなく「終活しなきゃな・・・」と思っている方に、今回は終活で得られる効果を説明したいと思います。
1. 焦らなくてすむ
例えば、大切な家族が意識不明の状態になったとします。
病院に運ばれた時、日本では大抵家族の意向に沿った判断で治療を選択するので、医者から「延命治療はどうされますか?5分で決めてください」と言われた時、あなたは即座に決定できるでしょうか?
認知症もそうですが、自分の意思を伝えることができない状態では本人の意向を聞くことができません。
前もって本人の意思が確認できていれば、ある程度のことは解決できるのです。
2. 後悔を減らせる
高齢者の中には自分の希望や思いを伝える習慣がない人もいます。
「自分が亡くなったあとのことは大丈夫かな?」と不安に思っていても、家族や周りに相談できない人も少なくありません。
しかし「本人の幸せ=周囲の希望」であるように、自分らしく生きられることが重要なのです。
亡くなったあとのお葬式やお墓のこともそうですが、介護や延命治療が必要になった時はどのようにしてほしいのかも伝えたり記載しておくことをお勧めします。
具体的に伝えておけば、自分だけでなく家族の後悔も減らせます。
3. 医療や介護に関わる人に自分の意思を知ってもらえる
治療をしてもらう時、介護を受ける時、様々な方針を立てます。
「こういう治療は望まない」とか「介護ではここまで手伝ってもらいたい」と、本人の希望があれば治療や介護の時にとても参考になるはずです。
細かいことですが、好きな食べ物や音楽、趣味などもエンディングノートに記載しておけば、それを見た病院や施設で多少の配慮があるはずです。
また、家族関係なども記載しておけば医療者や介護者が家族と関わる上でとても役に立ちます。
4. 残りの人生が明確になる
終活とは、今までの自分を振り返ることと、未来に起こることを想定しながら準備をするものです。
自分が思い描く最期を迎えるために何をしておかなければいけないのか、また、何を伝えておけばいいのかを明確にすることによって不安や問題点が解決でき、今まで以上に目的を持って暮らすことができるのです。
5. 将来の経済的目処が立つ
未来に起こるであろうことを想定できれば、何年後にいくら必要か計画を立てることができます。
「年金だけで大丈夫か?」「預貯金は最期の時までもちそうか?」などが具体的に分かるので、それに合わせた生活にシフトチェンジすることが可能になります。
6. 「もしものとき」に家族も準備ができる
厚生労働省ではACPの普及・啓発を進めています。
ACPとは「アドバンス・ケア・プランニング」で、分かりやすく言うと「人生会議」の意味があります。
家族と直接話し合う機会がなくても、エンディングノートなどに自分の希望を記載しておくことで、それを見た家族も万一に備えて準備することができます。
家族とする「人生会議は」それぞれがどういう風に考えているのか、意見や要望を聞く大切な時間になると思います。
7. しきたりや家族のルーツなどの申し送りができる
祖父母から子、子から孫へ、先祖からのしきたりや家族のルーツというものは子孫に伝えるものです。
しかし認知症になって思い出せなくなったり、別れの時が突然やって来たりすると大切な家族の物語を後世に伝えることができなくなります。
折に触れて思い出して書き綴っておくことをお勧めします。
どうでしょうか?
終活をすることによって得られる効果はたくさんあります。
過去・現在・未来の視点で自分を知ることにより、本当の自分が見えてくるはずです。
終活を通して、自分らしく生き生きとした人生を過ごしたいものですね。