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*家族が亡くなった後の手続き
大切な家族が亡くなったら・・・
悲しみに暮れて何日も過ごすことはできません。
様々な手続きをしなくてはならないのが現実です。
今回は家族を亡くした後に必要な手続きを『期限』『主に必要な書類』『手続き先』に分けて紹介しておきます。
(期限)7日
家族が亡くなる→『死亡届』『死亡診断書』役所
(期限)14日
遺体の火葬・埋葬→『火葬許可申請書』役所
戸籍謄本の入手→『戸籍証明書(除籍・原戸籍)等交付請求書』役所
住民票の入手→『住民票の写し等交付請求書』役所
印鑑登録証明書の入手→『印鑑登録証明書交付請求書』役所
法定相続情報一覧図の入手→『法定相続情報一覧図入手』法務局
健康保険資格の喪失→『国民健康保険資格喪失届出』役所
介護保険資格の喪失→『介護保険資格喪失届』役所
年金受給の停止→『年金受給権者死亡届』(厚生年金10日以内)年金事務所
未支給分の請求→『未支給年金・保険給付』(請求書時効10年)年金事務所
世帯主の変更→『世帯主変更届』役所
婚姻前の姓に戻る→『復氏届』役所
配偶者家族と婚族関係の終了→『婚族関係終了届』役所
子の氏を変更→『子の氏を変更許可申立書』家庭裁判所
(期限)1ヶ月
団信生保で住宅ローンの完済→『保険手続き・団信返済届』法務局
各名義の変更・解約・返却等→『各社必要書類の確認』各社等
死亡一時金を受け取る→『国民年金死亡一時金請求書』役所
高額療養費の払い戻し→『高額療養費支給申請書』役所
高額介護サービス費の受給→『介護保険高額介護サービス費支給申請書』役所
死亡一時金の受給→『国民年金死亡一時金請求書』役所
葬祭費の申請→『国民健康保険葬祭費支給請求』役所
埋葬料(費)の申請→『健康保険埋葬料(費)支給申請書』健保組合
各種年金受給の手続き→『年金請求書(遺族基礎・遺族厚生・寡婦)』年金事務所
民間生命保険受給の手続き→『死亡保険金請求書』各保険会社
(期限)3ヶ月
遺言書を探す→『遺言書』公証役場等
遺言書の検認→『遺言書検認申立書』家庭裁判所
遺産の確認→『残高証明依頼書・固定資産評価証明・不動産全部事項証明』各金融機関等
相続放棄をする→『相続放棄申述書』家庭裁判所
(期限)4ヶ月
故人の所得税を申告→『所得税及び復興特別所得税の準確定申告書B』税務署
故人の事業を引き継ぐ→『所得税の青色申告承認申請書』税務署
(期限)10ヶ月
遺産分割を決める→『遺産分割協議書』
遺産分割調停を申し立てる→『遺産分割調停申立書』家庭裁判所
金融口座などの手続き→『相続関係届出書 等(各金融機関で異なる)』各金融機関等
株式の手続き→『相続手続き依頼書 等』各金融機関等
自動車の手続き→『移転登記申請書 等』運輸支局
不動産の手続き→『登記申請書 等』法務局
相続税の申告→『相続税申告書』税務署(金融機関)
相続税の納付→『相続税納付書』税務署(金融機関)
最近ではデジタル遺産と呼ばれるデジタル形式の財産も多様化および一般化しています。
暗号資産(仮想通貨)や電子マネー、クレジットカードのポイントやマイレージがそうです。
ネット銀行やネット証券の口座を持っている方も多いのではないでしょうか。
スマホ一つで何でもできる便利な世の中ですが、個人のスマホの中身はその人にしか分からない情報がたくさん入っています。
使っていないサブスクを解約したり、もしものときのことを考えてパスワードなどは残された人が分かるようにしておきましょう。
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*おじいちゃんの事件簿1
認知症の全ての人がそういう風になるのかは分かりませんが、祖父の場合は『食』に執着がありました。
ヘルパーさんに聞いたら「認知症の方は満腹中枢の機能が低下することで常に空腹状態にあるのかも知れない」と教えてくれました。
目の前にある食べ物は全部食べてしまう状態だったので、食事はその日の分を家族が毎日持って行くようにしていました。
食事を持って行った時に家の中の様子を確認するのですが、ある時、ブラックコーヒーらしき黒い液体が入ったマグカップが食卓に置いてありました。
その頃祖父の家にはインスタントコーヒーを置いていなかったので、おかしいなと思い本人に聞いてみても「分からん」と言うだけで、明らかに変な液体を飲もうとしていました。
周りを観察してみると、何やら小袋の封を切った形跡が・・・
食品などに入っている乾燥剤の袋でした。
祖父は乾燥剤の中身を水で溶かして飲もうとしていたのです。
何事もなかったので笑い話で済みますが、その時はヒヤッとしました。
私は家に帰って実験をしたら、全く同じ飲み物ができました(笑)
見た目は薄めのブラックコーヒーです。
この乾燥剤以外にも、防虫剤がタンスから出され食卓に置いてあったこともあります。
その時はたまたま見つけることができたので捨てることができましたが、以前からこういうことはあったかも知れません。
常に空腹状態の祖父はよく食べました。
ペットボトルや紙パックのジュースも1日で飲んでしまったり予備に渡していたパンなども一気に食べてしまうので、食事はその都度用意するようにしていました。
昼食を持って行った時に夕食分をクーラーボックスに入れて、それを祖父の分からない所に隠して、夕方に来るヘルパーさんに出してもらうというような感じにしていました。
食べたい時に食べ物がないのも可哀想だとは思いましたが、祖父は糖尿病も患っていたので仕方ありませんでした。
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*終活ライフケアプランナーという仕事
『終活』という言葉が浸透してきた今、流行りに乗っかって起業した訳ではありません(笑)
認知症の祖父を見守ってきた中で、準備しておくことの大切さを知ったからです。
祖父は一人暮らしでしたが、娘である私の母や孫の私が近くに住んでいたので毎日の食事や普段の生活も気にかけてあげることができていました。
しかし頼れる人が近くにいない高齢者の方は不安なことがたくさんあると思います。
だからこそ、ある程度の年齢になったら残りの人生のことを考えて準備しておくことは非常に大切です。
身体が元気なのはもちろん、自分で考えて判断できるうちに自分なりの終活を始めていただきたいです。
「あなたに介護が必要になった時、どんな支援を望みますか?」
「あなたにもしものことがあった時、延命治療はどうしますか?」
何となく終活が大切なことというのは分かっていても、なかなか進めることができない方が多いと思います。
実際、具体的に終活を行なっている方は少ないのが現状です。
まずは何から始めたら良いのか、インターネットや書籍で溢れている情報が多すぎて自分に合った終活が分からないという方もいるでしょう。
制度や状況も変わっていくので尚更です。
そんな時に終活ライフケアプランナーに相談してもらいたいです。
終活の有効性を伝え、終活に迷いがある方の話をじっくり聞き、具体的に終活を進めるお手伝いをするのが私の仕事です。
エンディングノートを一緒に作成することも可能です。
カードゲーム(もしバナゲーム)をしながら楽しく将来のことを考えることも可能です。
これからの高齢化社会を心地良く、心豊かに、安心して暮らしていくためのサポートをさせていただきます。
私もまだまだ勉強中ですが、少しでもお役に立てればと思います。
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*在宅介護から施設入所へのターニングポイント
今年90歳になる祖父は、ほんの数ヶ月前まで一人暮らしをしていました。
数年前、まだ要介護1の時は割としっかりしていて、祖母を亡くしてからの約30年間一人暮らしをしていたこともあり、簡単なご飯は自分でできるし特に心配することもありませんでした。
その頃は自分の意思表示もあり、家族が勧めるデイサービスなども「そんな所には行かない」と頑なに断られ続けていたのです。
しかしだんだんと薬の飲み忘れがあったり、服を着替えなくなったり(多分お風呂に入っていなっかた)基本的な生活ができなくなってきました。
そしてやっと受け入れてくれたのが在宅ヘルパーさんです。
それでも最初の頃は「別に来てくれなくていい」と機嫌の悪い日もありました。
せっかくヘルパーさんが来て生活の手助けをしてくれるのに、ヘルパーさんが来るまでに夕食を済ませ、洗い物まで自分でしている状態でした。
何のために来てもらっているのやら・・・という思いで家族は見守っていましたが、日が経つにつれて祖父もヘルパーさんが来るのを楽しみにしているようでもありました。
私や母は祖父に対してついつい口うるさく言ってしまっていました。
今までできていたのになぜできないのか?
こちらの言っていることを全然聞かない!
認知症の家族に対して毎日がこんな葛藤の繰り返しです。
しかしヘルパーさんは優しく、いつも祖父優先の会話をしてくれていました。
介護をする側の心構えの一つに『介護が必要な人の尊厳を保つ』ということがあります。
しかし私や母は何もできなくなった老人として接していたのです。
これは本当に反省すべき点ですが、実際に家で介護をするというのは綺麗事ではできません。
時々事件として介護に疲れて殺してしまったというニュースを見ますが、全く理解できないこともないと思いました。
認知症の祖父を一人暮らしさせているとはいえ、一日中ずっと見張っている訳にもいかないので、正直一人の時は何をしているのか分かりません。
危険だと感じた行動がいくつもありました。
祖父を見ていて思ったのが、高齢者は一年で変わるということです。
去年できていたことが今年はできなくなっているのです。
小さい子供が一年ごとに成長して去年できなかったことが今年できるようになるのとは逆で、歳を重ねるごとにできないことが増えていくのです。
ヘルパーさんにお風呂を促され、浴室に行ったはいいがそこからどうお風呂に入っていいのか分からなくなったり、お風呂から出てきて体は拭いたがその後パジャマを着ることに頭が回らず裸のまま座っていたりします。
車の運転をしていた頃も、最後は車に閉じ込められて(ロックがかかっていただけ)出られなくなり免許証を返納させました。
車の代わりに電動自転車にしてからも最初の頃は良かったのですが、次第に充電の仕方が分からなくなったり、転倒して自分で起き上がることができなくなったので自転車も取り上げました。
色んなことを制限させるのは可哀想だとも思いましたが、事故につながる危険を考えたら仕方ありませんでした。
人によっても違うとは思いますが、高齢者の一年というのは確実に去年とは違うと思っておいてほしいです。
私が早めの終活を勧めるのはそこに理由があります。
今、面倒だと思っていることを来年やりますか?
先延ばしにしているうちに意思表示ができなくなるかも知れません。
もしかしたら寿命が来てしまうかも知れません。
一年ほど家での介護をしていたのですが、母と相談して施設に入所させることにしたのは、一人暮らしをさせておくのに限界を感じたからです。
訪問販売を契約してしまったり、昼間の徘徊があったので常に誰かがいる施設の方が祖父も安心して生活できると思い決断したのですが、我が家の場合は本当にタイミングが良く、予約してから早い段階で入所できました。
地域や施設の種類にもよると思いますが、⚪︎年待ちとか普通にあるみたいですね。
入所した当初は「こんな所イヤ」とか言い出さないか不安がありました。
初めての面会の時は一度だけ「帰りたい」と言いましたが、その次からは聞いていません。
もう家の存在を忘れてしまったのかも知れません。
でも、「ここの人はよくしてくれる」と職員さん達に対する感謝の気持ちは持っていました。
職員の方も「入って来られた時より穏やかな顔をしている」と言ってくれます。
祖父が望んでいた生活かどうかは分かりませんが、面会に行くとニコニコしている祖父を見て、私も母も穏やかな心で接することができているのは間違いありません。
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*そろそろ墓じまいを・・・
我が家も考えていることですが、終活でお墓のことを家族と話し合う場合、一緒に考えておいてほしいのが「墓じまい」についてです。
今後、お墓を守る跡継ぎがいない場合や、お墓のある場所が遠くてなかなかお墓参りに行けなくなった方が今あるお墓を撤去して近くの墓地や永代供養墓地に移転したり、海洋葬や樹木葬などの自然葬にすることを「墓じまい」と言います。
墓地に埋葬されているご遺骨を他の墓地や納骨堂に移すことを「改葬」といい、これを行うには手続きが必要となります。
①移転先の墓地の管理者から「受入証明書」を発行してもらう
②現在埋葬されている墓地の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう。
③墓地のある市区町村役場に改葬届を提出し、「改葬許可証」を発行してもらう。
④改葬元墓地の管理者に「改葬許可証」を提示し、ご遺骨を取り出す。
⑤墓石の「御魂抜き」の法要を行う。
(御魂抜きとは、お墓から仏様の魂を抜いて元の石の状態に戻す「閉魂法要」のこと)
⑥改葬先墓地の管理者に「改葬許可証」を提出し、ご遺骨を埋葬する。
(その際、墓石の「開眼供養」を行う。)
※埋葬証明書の有無は地域によって違うので、事前に確認をしてみてください。
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*お葬式の準備
前回は葬儀のあれこれを書きましたが、準備しておいた方がいいものに「遺影写真」があります。
亡くなった後に家族が遺影用の写真を選ぶのはとても苦労します。
すぐに写真が見つからない場合もあるでしょう。
考えてみれば、家族を亡くした後の手続きは大変なんですよね。
死亡届に始まり手続きには期限があって、悲しんでいる暇がありません。
役所や年金事務所に問い合わせることもたくさん出てくるでしょう。
そんな家族の負担を考えて、遺影写真など自分で準備できることはやっておいた方が家族も助かるはずです。
それに、やっぱり自分のお気に入りの写真を使ってもらいたいですよね。
あと、葬儀の費用は葬儀後の早い段階で発生します。
故人名義の預貯金は口座が凍結されてしまうので、いざという時のために、ご夫婦でも預貯金はどちらかに偏らないようにしておくことが重要です。
または、葬儀関係に必要な資金を子どもたちに渡しておくのもいいでしょう。
最後に葬儀社を選ぶポイントですが、いろいろ親身になって相談に乗ってくれるところがお勧めです。
最近では終活セミナーを開催していたり、模擬葬儀を体験できたりするところもあります。
プロのカメラマンさんが来て遺影の撮影会が行われたりもしていますので、そういったイベントに参加してみて葬儀社の雰囲気やスタッフさんの人柄などを確認するのがいいでしょう。
見積もりを作成してもらい、複数社検討してみて自分が納得のいく葬儀社を選んでくださいね。
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*介護を必要とする日が来たら・・・
想像してみてください。
残念ながら介護が必要な状況になった時、それは自分の力で判断するのは難しい時だと思います。
介護申請をするのも自分ではない場合がほとんどではないでしょうか。
そんな時のために、自分の異変に気付いて介護申請をしてくれる身内やご近所さん、民生委員などと連絡が取れるようにしておくことが大切です。
介護保険制度についてもある程度知っておくことで自分がどのような介護制度を利用できるのか、勉強しておくのも良いでしょう。
その後は、「もし介護が必要になったらどうしよう」とか「周りに迷惑かけてしまうのではないだろうか」と不安になるのではなく、今の人生を楽しむこと。
そして、なるべく介護保険に頼らないように元気でいるための予防を行うことに焦点を当てて暮らしていくのが一番だと私は思います。
地震に対する備えはするのに、年老いてゆくことに対して準備しないのはなぜですか?
準備することによって不安は減らせます。
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*自己紹介
ここではいつもの終活に関する情報発信ではなく、雑談気分で書きたいと思います。
まずは自己紹介から。
私は徳島県に住む45歳の主婦です。(ちなみにO型・乙女座)
1年ほど前に10年勤めた会社を退職して、セカンドライフは専業主婦として生活していく予定でした。
しかし、祖父の認知症が進み、仕事をしている母親の代わりに祖父の介護に関わるようになってから終活の大切さを知り、『終活ライフケアプランナー』の資格取得を目指して勉強を始めました。
医療や介護に関することは手続きが面倒だったり分かりにくい制度が多く、私も学ばなければいけないことがたくさんありますが、終活に関心はあってもなかなか一歩が踏み出せない方のサポートができればと思い起業しました。
今後のプランとしましては、喫茶コーナー併設でセミナー等を開催できるスペースのある事務所を作る予定です。
喫茶コーナーは土・日(午前中)のみの営業ですが、まずはカフェに行く感覚で気軽に終活に触れてもらえればと考えています。
「終活」と聞くと、重く、とっつきにくいイメージですが、皆さんにとって終活がもっと身近なものになればいいなと思います。
合言葉は『Let’s roll 終活!』
『さあ始めよう、終活!』です。