*終活で得られる効果

なんとなく「終活しなきゃな・・・」と思っている方に、今回は終活で得られる効果を説明したいと思います。

1. 焦らなくてすむ

例えば、大切な家族が意識不明の状態になったとします。

病院に運ばれた時、日本では大抵家族の意向に沿った判断で治療を選択するので、医者から「延命治療はどうされますか?5分で決めてください」と言われた時、あなたは即座に決定できるでしょうか?

認知症もそうですが、自分の意思を伝えることができない状態では本人の意向を聞くことができません。

前もって本人の意思が確認できていれば、ある程度のことは解決できるのです。

2. 後悔を減らせる

高齢者の中には自分の希望や思いを伝える習慣がない人もいます。

「自分が亡くなったあとのことは大丈夫かな?」と不安に思っていても、家族や周りに相談できない人も少なくありません。

しかし「本人の幸せ=周囲の希望」であるように、自分らしく生きられることが重要なのです。

亡くなったあとのお葬式やお墓のこともそうですが、介護や延命治療が必要になった時はどのようにしてほしいのかも伝えたり記載しておくことをお勧めします。

具体的に伝えておけば、自分だけでなく家族の後悔も減らせます。

3. 医療や介護に関わる人に自分の意思を知ってもらえる

治療をしてもらう時、介護を受ける時、様々な方針を立てます。

「こういう治療は望まない」とか「介護ではここまで手伝ってもらいたい」と、本人の希望があれば治療や介護の時にとても参考になるはずです。

細かいことですが、好きな食べ物や音楽、趣味などもエンディングノートに記載しておけば、それを見た病院や施設で多少の配慮があるはずです。

また、家族関係なども記載しておけば医療者や介護者が家族と関わる上でとても役に立ちます。

4. 残りの人生が明確になる

終活とは、今までの自分を振り返ることと、未来に起こることを想定しながら準備をするものです。

自分が思い描く最期を迎えるために何をしておかなければいけないのか、また、何を伝えておけばいいのかを明確にすることによって不安や問題点が解決でき、今まで以上に目的を持って暮らすことができるのです。

5. 将来の経済的目処が立つ

未来に起こるであろうことを想定できれば、何年後にいくら必要か計画を立てることができます。

「年金だけで大丈夫か?」「預貯金は最期の時までもちそうか?」などが具体的に分かるので、それに合わせた生活にシフトチェンジすることが可能になります。

6. 「もしものとき」に家族も準備ができる

厚生労働省ではACPの普及・啓発を進めています。

ACPとは「アドバンス・ケア・プランニング」で、分かりやすく言うと「人生会議」の意味があります。

家族と直接話し合う機会がなくても、エンディングノートなどに自分の希望を記載しておくことで、それを見た家族も万一に備えて準備することができます。

家族とする「人生会議は」それぞれがどういう風に考えているのか、意見や要望を聞く大切な時間になると思います。

7. しきたりや家族のルーツなどの申し送りができる

祖父母から子、子から孫へ、先祖からのしきたりや家族のルーツというものは子孫に伝えるものです。

しかし認知症になって思い出せなくなったり、別れの時が突然やって来たりすると大切な家族の物語を後世に伝えることができなくなります。

折に触れて思い出して書き綴っておくことをお勧めします。

どうでしょうか?

終活をすることによって得られる効果はたくさんあります。

過去・現在・未来の視点で自分を知ることにより、本当の自分が見えてくるはずです。

終活を通して、自分らしく生き生きとした人生を過ごしたいものですね。