何のために終活をするのか?
人生は予期せぬ出来事の連続です。
人生100年時代といわれ、「80歳ぐらいまではこのまま元気にやりたいことをやって・・・」と考えている方もいるようですが、そう上手く思い通りに進むとは限りません。
少々面倒だと思うことでも、身体が元気なうちに、そして自分の意思表示ができるうちに終活に取り組んでいただきたいと思っています。
今回は『終活の心得』について書きます。
①自分が満足する生き方、締めくくり方を考える
自分の死期が迫ったと感じた時、多くの人が思うことは「やりたいと思ったことをやっておけば良かった」という後悔だそうです。
時間がない、お金がない、もう歳だし・・・と、言い訳を探して本当にやりたいことをやらなかったことが心残りになります。
そうならないためにも、『やりたいことリスト』を作るのはどうでしょうか。
優先順位をつけて、ひとつひとつクリアしていくのです。
周りの目は気にせず、多少迷惑をかけることになっても、人がどう思おうと自分が満足する生き方、人生の締めくくり方を選択することができます。
②家族や周囲に過度な期待をしない
「自分にもしものことがあったら、家族がいいようにしてくれるだろう」という期待は禁物です。
介護が必要になったら、入院することになったら、死んだ後は・・・と、何でもかんでも家族に任せるのではなく、自分はどうしてほしいのかを伝えておきましょう。
『本人にとっていいようにしてくれること』と『家族がいいと思ってすること』は違います。
家族に対して「分かっていてくれるだろう」「任せておけば大丈夫」ではなく、自分がどうしてほしいのか具体的に決めておくことが重要です。
③お金だけでないセキュリティーネットワークを作っておく
家族、ご近所さん、趣味の仲間・・・あなたのことを気にかけてくれる人はいますか?
この世の中、お金を出せば大抵のことは解決できますが、こういう身近な方々はお金をかけなくても話を聞いてくれたり気にかけてくれたりします。
人間関係は1日にしてできるものではありません。
日々のお付き合いの中で築き上げていくものです。
近所の集まりや地域のボランティアなど、動けるうちは積極的に参加しておくのが良いでしょう。
年齢の異なる友人を作るのもおすすめです。
年上の友人からは人生のアドバイスをもらえたり、これから自分が経験していく色々なことについて学ばせてもらうことができます。
しかし年上の友人や同い年の友人たちは年齢を重ねるごとに一人また一人と病気や怪我で外へ出ることが少なくなる可能性があるので、元気な年下の友人を持つことも大切です。
食事会や旅行なども誘ってもらいましょう。
④ユーモアと感謝を忘れない
ユーモアのあるところには人々の笑顔が溢れ、人とのコミュニケーションが活発に行われます。
医療や介護の現場では辛く苦しいこともありますが、ユーモアがあればお互い優しい気持ちで楽しい時間を過ごすことができます。
また、介護や看病をしてもらっていることを当たり前と思うようになると甘えが出ます。
「ありがとう」という気持ちを忘れないようにしましょう。
日本人はよく「すみません」という言葉を使いがちですが、「ありがとうございます」と周囲の厚意を素直に受け取るのが一番です。
⑤余計な遠慮はしない
遠慮をしすぎると、かえって迷惑になることもあります。
周囲の人たちも、その人が快適に過ごせるように、喜んでもらえるように動いているにもかかわらず、遠慮されてしまうとせっかくの厚意がが無駄になってしまいます。
余計な遠慮はせずに、ありがたく受け取ることが大切です。
⑥してほしくないことははっきり伝える
遠慮ではなく、してほしくないことやいらないものははっきり「NO!」と伝える必要があります。
無理して受け取り笑顔でいたり我慢していると、喜んでいると勘違いされて何度も同じことが繰り返される可能性があるので注意する必要があります。
終活は知ることから始まり、自分の意思を明確にし、やるべきことをやり、周囲に伝わる仕組みを作ることがポイントです。
自分が納得できる最期を迎えるためにも、『気力・体力・判断力』が充実している時期から準備をすることがとても大切です。